放射線治療部

部門紹介

放射線治療部門では地域がん診療拠点病院として、がんの根治を目的とした根治照射や手術の前後に行う予防照射、がんによる痛みの緩和を目的とした緩和照射等、患者さんの状態によって幅の広い放射線治療を提供しています。

放射線治療に関する専門的資格を有する医師、診療放射線技師、看護師が在籍しており、放射線治療を受ける患者さんやご家族に対してわかりやすく丁寧な説明を心がけています。また治療中の患者さんの状態に関しては、主治医、看護師に適時報告相談し、多職種を交えて安全安心な放射線治療を提供できるように努めております。

主な業務・実績

  • 外部照射 3,750件(2022年度)
  • 各診療科のカンファレンスに参加し放射線治療の適応に関する進言
  • 第3者機関による放射線治療装置の出力線量評価

資格取得情報

日本医学放射線学会 放射線治療専門医 1名
放射線治療専門技師認定機構 放射線治療専門認定技師 1名
放射線治療品質管理機構 放射線治療品質管理士 1名
日本看護協会 がん放射線療法看護師 1名

放射線治療

放射線治療とは

放射線治療は、手術、化学療法とともに癌治療の三本柱の一つとして重要な役割を果たしています。化学療法が全身的治療であるのに対して、手術と放射線治療は癌病巣とその周辺を治療する局所治療です。

放射線治療の対象となる主要な癌は、脳腫瘍、リンパ腫、頭頸部腫瘍、食道癌、肺癌、乳癌、肝胆膵腫瘍、子宮頚癌、前立腺癌、骨腫瘍など、頭から下肢まで身体中のほぼすべてです。

また、根治的治療から緩和治療まで様々な目的で行われます。

放射線治療の特徴

1. 全身への負担が少ない(侵襲が少ない)

放射線は体には感じないため、寝ているだけで治療が終わる体への負担が少ない治療です。高齢者や体力のない患者様でも治療可能であり、また、多くの場合は外来通院でも治療出来ます。

2. 機能の温存ができる

手術をすれば大きな傷跡が残り、身体の外観や機能が損なわれたりするような場合でも、放射線によって障害を最小限におさえて、機能や形態を温存できます。


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放射線治療にかかわるスタッフ

放射線治療専門医師

診察所見や検査結果をもとに、放射線治療計画を立てます。治療期間中は定期的に診察を行い病気の状態や副作用の有無を確認し、必要に応じて最適な処置を行います。

診療放射線技師

放射線治療医によって決定された放射線治療計画に従って治療部位に毎回確実に放射線を照射します。毎回の放射線照射を行うのが主な役割です。正確に放射線を照射するため、治療装置の精度や、線量の精度を管理します。毎日の治療に際してわからないことがありましたら、いつでもお尋ね下さい。

看護師

患者様が放射線治療をスムーズに進め、治療効果が高まるようにサポートしていきます。放射線治療による副作用を予測し、予防的な観点でケアができるように関わります。

放射線治療の流れ

1. 放射線治療医による診察

放射線治療の適応については、放射線治療医と関係する臓器別の診療科(内科、外科など)との協議にて決められます。まず、患者様の診察にもとづいて、放射線治療の方法、照射範囲、線量、スケジュール、併用治療などが決められます。

2. 治療計画CTの撮影

CT装置を利用し、照射範囲を決定します。この時に治療部位周辺の皮膚にマジックで印をつけさせていただきます。


治療計画CT

3. 治療計画

実際の治療を行う前に、放射線を最適に照射する方向や範囲、量(時間)を決定します。計画には2日から7日ほどかかります。特殊な治療の場合はさらに時間がかかることがあります。


治療計画

4. 放射線治療

治療計画をもとに放射線を照射して治療を行います。通常の治療であれば一回当たりの治療時間は5~15分間程度です。照射中は治療用の寝台上で動かず安静でお願いします。放射線は体に全く感じず、治療中に痛みを伴うことはありません。

治療は原則として、月~金曜に連続して週5日行います。治療期間・回数は患者様の疾患、治療部位、病状等により異なります。


放射線治療

ご質問やご不安な点がありましたら、気軽に医師または診療放射線技師にお尋ねください。

関連ページ

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放射線科 放射線検査・治療依頼

放射線検査については以下のページをご確認ください。

放射線画像診断部