平成27年度 病院指標

平成27年度 福岡東医療センター 病院指標

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年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 829 188 135 223 291 714 1943 2332 1565 332

福岡東医療センターの入院患者の居住地は、当院の位置する古賀市が36.5%、近隣の福津市や宗像市は22.3%、21.5%です。65歳以上の人口比率が古賀市19%、福津市25.9%、宗像市22.5%と高齢者の比率が高いためか、当院は60‐80歳代の入院が約半数を占めています。

また、0‐10歳の小児の入院患者が約10%と比較的高いことも特徴です。これは、行政・医師会で構築された宗像・粕屋北部小児救急医療体制の中で、当院が二次救急医療機関を担い小児の救急入院患者を多数受けているためです。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

消化器・肝臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
060100xx99xxxx 大腸・直腸ポリープ、大腸腺腫 手術なし 170 2.41 2.93 0 70.69
060340xx03x00x 胆管炎、胆管結石、胆管閉塞、限局性腹膜膿瘍手術など 112 8.55 10.93 8.04 76.23
060020xx99x00x 胃癌 手術・処置なし 58 3.76 11.26 3.45 70.62

消化器科の入院患者は、鎮静剤を使用し行う上下部内視鏡検査(胃カメラ、大腸ファイバー)の症例数が多くなっています。

胆石や肝胆膵系の腫瘍により、胆管が狭くなったり閉塞すると胆汁の通りが悪くなり、黄疸や発熱、腹痛が出現します。消化器科ではこのような疾患に対して内視鏡による治療を多く行っています。

実際に最も多い症例は、内視鏡的に大腸ポリープを切除する治療(大腸ポリペクトミーもしくは粘膜切除)ですが、DPC包括制度対象外のため、この集計結果には含まれていません。

呼吸器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
040080x099x0xx 急性肺炎、急性気管支炎(15歳以上) 手術、処置なし 203 14.51 14.34 8.87 73.12
040040xx99100x 気管支及び肺癌 手術なし、処置あり(気管支鏡検査など) 133 2.71 3.29 0.75 70.44
040040xx9904xx 気管支及び肺癌 手術なし、処置あり(化学療法) 131 16.57 13.38 0 68.32

呼吸器科は呼吸器疾患全般の診断と治療を行っています。肺炎の治療は画像所見、喀痰培養検査から原因菌に適した抗菌剤を選択しますが、年齢や合併症など患者背景、副作用も考慮した治療を行っています。

肺癌の検査や治療の入院患者は、急性肺炎についで2番目に多くなっています。診断のための気管支鏡検査を原則1泊2日で行っています。抗凝固剤服用中の方は、気管支鏡検査前に薬剤の調整が必要となり、入院期間が延びることがあります。肺癌の化学療法(抗がん剤による治療)の初回は、原則入院で行います。抗がん剤の種類や患者の状態によっては短期入院の繰り返しや外来化学療法を行います。

循環器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし、処置あり(心カテ) 197 3.51 3.07 1.02 70.1
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術あり(PCI)、処置なし 173 6.36 4.87 2.31 71.73
050130xx99000x 心不全 手術・処置なし 69 17.1 18.3 15.94 83.97

循環器科では、急性心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患の検査や治療を24時間365日積極的に行っています。

心不全や不整脈、心臓以外の血管病に対する検査や治療も幅広く行っています。心筋梗塞以外の虚血性心疾患に対して治療を行った際の平均入院期間は約6日、検査のみの場合は約3日です。

また、心不全に対する入院期間はその原因や全身状態によって数日から3週間程度とばらつきが大きいですが、平均約2週間です。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
040080x1xxx0xx 急性肺炎、急性気管支炎(15歳未満) 手術、処置なし 173 6.03 5.72 0.58 1.79
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置なし 79 7.25 6.31 0 4.62
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置なし 63 3.11 3.97 1.59 1.76

当院は周辺人口20万強の当該地域唯一の小児入院施設であり、平均在院日数や平均年齢は、ほぼ全国平均となっています。

また、平日と一部の土曜日は、小児科当直体制のため、集中治療管理が必要な呼吸器感染症やけいれん性疾患の重症例は、近隣協力施設に転院搬送をしており、年間で各々1-2例となっています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
160800xx01xxxx 関節の病的脱臼、大腿骨近位端骨折 手術あり(骨折観血的手術など)、処置なし 78 28.96 28.70 91.03 86.45
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎骨折 手術・処置なし 47 15.34 21.52 76.6 77.4
160760xx97xx0x 橈骨、尺骨骨折 手術あり(骨折観血的手術など)、処置なし 34 10.47 5.70 8.82 47.06

整形外科では、四肢や脊椎の骨折の患者の治療を多く扱っています。代表的骨折は以下のようになります。

大腿骨頸部骨折:加齢に伴い骨粗鬆症になると、転倒により足の付け根の骨折が生じやすくなります。通常手術により骨折の固定や人工骨頭挿入術を行います。

脊椎骨折:骨粗鬆症により脊椎椎体は脆弱化するため、転倒などにより骨折します。通常安静治療により治しますが、後弯変形が強いときには手術的に治します。

橈骨遠位端骨折:転倒して手をついた時に強い衝撃が加わると、折れることがあります。変形が強い場合は手術で骨折の固定を行います。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術・処置なし 180 2.81 15.00 0.56 71.7
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり(肺悪性腫瘍手術など)・処置なし 85 14.8 13.03 1.18 70.56
040040xx9904xx 肺の悪性腫瘍 手術なし・処置あり(化学療法) 39 14.74 13.38 0 68.15

呼吸器外科では、胸部外科領域の様々な良性・悪性疾患の診療を行っています。

原発性肺癌は呼吸器内科と協力して診断し、コンセンサスのある適切な治療法を選択し、手術治療対象者には積極的に胸腔鏡を利用した外科治療を行っています。

手術症例の術後補助療法が必要な場合は当科で管理しています。年に1回は転移再発の全身検査を行い、再発転移の早期発見を心がけています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
060335xx0200xx 胆のう炎、胆のう結石 手術あり(腹腔鏡下胆嚢摘出術など)・処置なし 49 10.12 15.44 2.04 59.12
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術あり(乳腺悪性腫瘍手術)・処置なし 40 17 11.63 5 68.48
060040xx99x60x 直腸S状部から肛門の悪性腫瘍 手術なし・処置あり(化学療法) 32 5.06 4.51 0 64.06

肝胆膵外科では消化器内科と連携し、胆嚢炎、胆のう結石に対して腹腔鏡下胆のう摘出術を主に行う手術療法を行っています。手術創が小さく、目立ちにくいため早期に退院可能であり平均在院日数も約10日と短縮されています。

乳腺外科では乳腺腫瘍の診断、手術、薬物療法を行っております。乳癌と診断された方には病状に合わせた乳房温存の手術や乳房摘出の手術を行っています。

外科全体では、食道癌、胃癌、大腸癌、消化管間質腫瘍、膵癌、胆管癌などに対して抗がん剤治療も行っています。近年、大腸癌の症例も増加傾向であり、病状に合わせガイドラインに準拠し、手術療法や抗がん剤治療を施行しています。

脳血管内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
030400xx99xxxx 末梢性めまい症、メニエール病 手術なし 49 7.49 5.31 0 66.02
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし・処置あり(エダラボン) 32 20.97 18.08 25 72.13
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし・処置なし 27 14.48 15.8 18.52 73.37

急に起きるめまい、ろれつが回らない、手足のしびれや動かしにくさは脳卒中の可能性があります。

脳卒中の治療は可及的速やかに行う必要があり、当院では24時間体制で脳卒中診療の専門医が待機し、診療を行っています。入院数の多いめまいに関しては、その原因として脳卒中以外にも、耳からくる末梢性めまい症やメニエール病もあります。めまいが起きると動けない場合が多く、当院ではまず入院いただいた上で、適切な原因検査と治療を行うようにしております。そのため、めまいの入院患者数が比較的多くなっていると考えられます。

脳梗塞での入院に関しては、当院では脳卒中専門医による超急性期の治療と日常生活復帰のためのリハビリテーションを並行して診療にあたっています。超急性期治療としては血栓溶解療法や血管内治療を含めた最善の治療を行っています。

リハビリテーションは個々の病状に合わせて豊富な経験を持つ理学療法士、作業療法士、言語聴覚士により自宅退院を目指した訓練を行ってます。

病状安定後もさらなる機能回復が望まれる場合は、地域の回復期リハビリテーション病院と連携し、転院となりますが、継ぎ目のないリハビリテーションを行うようにしています。

血液内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
130030xx99x40x びまん性大細胞性B細胞型リンパ腫、末梢性T細胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫など 手術なし・処置あり(化学療法) 73 17.77 17.69 1.37 66.41
130030xx97x40x びまん性大細胞性B細胞型リンパ腫、末梢性T細胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫など 手術あり(リンパ節生検)・処置あり(化学療法) 26 32.12 36.93 7.69 68.58
130020xx99x3xx 節硬化型古典的ホジキンリンパ腫、混合細胞型古典的ホジキンリンパ腫など 手術なし・処置あり(化学療法) 26 10.77 17.08 0 34.65

血液内科の入院患者の約40%が非ホジキンリンパ腫(血液のがんの一種)です。首や腋や鼠蹊部(脚の付け根)のリンパ節が腫れて受診される場合がほとんどです。腫れたリンパ節を採取(リンパ節生検)して診断します。

非ホジキンリンパ腫の治療は主に、抗がん剤や分子標的薬を使用する薬物療法です。非ホジキンリンパ腫にはいろいろなタイプ(組織型)があり、使用する薬が異なります。治療が効いて寛解状態になり、60%以上の方が長期生存できるようになっています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし・処置なし 26 8.65 7.52 3.85 62.08
010070xx99020x 内頚動脈狭窄症、もやもや病、脳動脈瘤など 手術なし・処置あり(SPECT) 23 3.09 5.67 0 74.91
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術あり(脳室ドレナージ、血管塞栓術)・処置なし 22 13.09 10.02 13.64 76.41

当院は地域の中核病院として機能しているため比較的高齢者の方を診る機会が多く、その中でも脳神経外科においては頭部外傷患者や脳血管障害患者の割合が多い傾向にあります。

現在の核家族化の影響もあり、高齢の夫婦だけで生活している方や一人で生活されている高齢独居の方も比較的多く見受けられる場合があります。

そのため、個々の疾患の影響でどうしても家庭復帰がむずかしいケースの場合には、回復期や療養型病院への転院を余儀なくされるケースも生じます。

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
110280xx99000x 慢性腎不全 手術なし・処置なし 44 14.52 13.64 4.55 73.5
110280xx991x0x 慢性糸球体腎炎 手術あり・処置なし(腎生検) 19 15.79 7.47 5.26 53.74
110280xx99010x 慢性腎不全 手術なし・処置あり(人工透析) 13 20.77 15.39 7.69 64.23
110280xx02x00x 慢性腎不全 手術あり(内シャント設置術・処置なし) 13 13.85 9.71 0 63.08
  • 1. 最も頻度が高いのは慢性腎不全の教育入院です。慢性腎不全(慢性腎臓病)は自覚症状がでにくく、健診で指摘されることが多いです。早期に診断がつけば、生活習慣、食事指導などにより透析導入を遅らせたり、透析導入を回避することもできます。このため当院では腎不全教育を行っています。教育は1週間としていますが、中には急性増悪症例も含まれており、平均在院日数がやや長くなっています。
  • 2. 腎生検を行う場合は、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、急速進行性腎炎症候群となります。腎生検パスは1週間ですが、腎生検診断に基づいて治療(主にステロイド療法)を行いますので、在院日数は長くなります。
  • 3. 慢性腎不全で、尿毒症賞状がでてくると、血液透析導入となります。これらの症例にはあらかじめ内シャントを作成している症例(4番目に多い症例群)と、内シャント作成ができていない症例があります。内シャント作成して、シャント使用までに平均2週間かかりますので、これらの症例ではどうしても入院期間が長くなります。血液透析導入後、体調が整えば、近隣の維持透析施設にご紹介します。
  • 4. 慢性腎不全で、透析導入前に内シャント作成のために入院した症例です。パスでは1週間以内のことが多いですが、症例によっては、退院が延期になることがあり、在院日数が長くなっています。 上記4疾患のほか、急性腎不全(急性腎障害)、高カリウム血症、低カリウム血症、高カルシウム血症などの電解質異常が含まれます。

糖尿病科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く) 手術なし・処置なし 97 16.55 15.35 3.09 65.05
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術なし・処置なし - - 14.2 - -
060100xx99xxxx 大腸・直腸ポリープ、大腸腺腫 手術なし - - 2.93 - -

※ 患者数が10人未満の場合は、非表示となっています。

糖尿病内科で最も多いのは、2型糖尿病の入院です。2型糖尿病治療の基本は、生活習慣の改善にあります。当科ではセルフケア能力を高めるための糖尿病教育入院を15日間のスケジュールで行っています。

2型糖尿病は、内因性インスリン分泌能やインスリン抵抗性、合併症などで、病態が異なります。検査を行い適切な治療法を選択していきます。肥満の解消もその一つです。体重を減らす薬はありませんので、食事・運動療法を中心に、減量を図ります。

2番目に多いのは糖尿病の救急状態であるケトアシドーシスです。適切なインスリン治療が必要です。2型糖尿病では感染症が誘因となりますし、1型糖尿病を発症した場合もあります。

3番目は糖尿病患者の検査入院です。大腸カメラの検査では下剤を服用し食事を減らすことから、インスリンや内服の調整が必要になるため入院検査を勧めています。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080011xx99xxxx 皮膚膿瘍 手術なし・処置なし 19 10.89 11.97 10.53 69
080007xx010xxx 顔面脂肪腫、 頭部脂肪腫など 手術あり(皮膚、皮下腫瘍摘出術等)・処置なし 18 2.33 4.38 0 63.17
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 手術あり(皮膚悪性腫瘍切除術等)・処置なし 17 6 10.49 0 81.41
地域の高齢者の皮膚腫瘍に対する手術を積極的に行っています。

感染症内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
110310xx99xxxx 急性腎盂腎炎、尿路感染症 手術なし 20 14.1 12.60 5 77.65
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術なし・処置なし 14 20.21 18.99 14.29 79
040080x099x0xx 急性肺炎、急性気管支炎(15歳以上) 手術、処置なし 11 14.55 14.34 18.18 78.45

感染症内科では主に全身性の感染症(敗血症、ウイルス疾患)や不明熱等の患者を診療しています。その他、海外渡航後の発熱患者の診療も行っております。院内においては他診療科の発熱患者のコンサルテーション業務及び院内感染対策活動に従事しています。

また、当院が感染症指定医療機関でもあるため、感染症法で定められている1類感染症、2類感染症、新型インフルエンザ等の発生時に円滑な対応ができるように取り組んでおります。

血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
050180xx97xx0x 下肢血栓性静脈瘤、うっ滞性皮膚炎 手術あり(下肢静脈瘤血管内焼灼術など)・処置なし 40 2.55 3.46 0 66.7
050170xx03000x 下肢閉塞性動脈硬化症 手術あり(血管拡張術・血栓除去術)・処置なし - - 5.99 - -
050163xx03x0xx 腹部大動脈瘤 手術あり(ステントグラフト内挿術)・処置なし - - 13.19 - -

※ 患者数が10人未満の場合は、非表示となっています。

下肢静脈瘤は1泊2日でレーザー治療を行っています。最新のレーザー機器を用いていますので、疼痛や皮下出血が少なくなっています。

下肢閉塞性動脈硬化症は状態に応じて、血管内治療(血管拡張術、ステント留置術)とバイパス手術を行っています。

腹部大動脈瘤も状態に応じて、血管内治療(ステントグラフト内挿術)と開腹手術を行っていますが、約80%の患者にステントグラフト内挿術を行っています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発 再発 病期分類基準(※) 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 53 7 8 46 44 34 1 6.7
大腸癌 16 27 36 52 46 84 1 6.7
乳癌 33 22 4 5 0 9 1 7
肺癌 195 44 73 239 111 245 1 6.7
肝癌 22 12 8 6 7 104 1 6.7
※ 1 : UICC TNM分類, 2 : 癌取扱い規約

当院は国指定のがん診療連携拠点病院であり、癌患者の多い上記5大癌に対して各疾患の専門医を有する診療科が有機的に連携し、手術・抗がん剤治療・放射線治療を行っています。

胃癌、大腸癌、肝癌は消化器内科と外科、肺癌は呼吸器内科と呼吸器外科、乳癌は外科が担当しています。放射線治療医は全てのがん種で放射線治療が必要な場合、治療に参加します。

症例の内訳をみますと、肺癌症例が多いことや乳癌以外では進行・再発の癌が半数以上を占めており、手術以外の治療が選択されることが多くなっています。

また、癌と診断された時から精神的支援を含めた緩和医療の介入も積極的に行っています。

今回の上記情報は、厚生労働省の指示による集計方法を用いておりますので、「患者数」は計測期間内の退院数となります。複数回入院の場合は入院回数分が集計されています。また、癌の疑いで入院して癌でないと判定したのは「不明」分に集計しています。このような理由からがん統計の集計値とは異なります。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 46 9.93 54.85
重症度 1 75 13.88 74.16
重症度 2 69 19.10 81.13
重症度 3 10 15.70 84.00
重症度 4 5 30.20 85.20
重症度 5 0 0.00 0.00
不明 1 31.00 82.00

当院では呼吸器疾患診療の歴史も長く、市中肺炎の患者数も多くなっています。また、重症度2以上の割合が4割以上を占めており、これらの対象では平均年齢が80歳を超え超高齢者の割合も高率となっております。

重症度の高い場合は、合併症や併存症を有する割合も高く平均在院日数が比較的長くなっております。全体では平均在院日数はおよそ標準並となっています。

脳梗塞のICD10別患者数等

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 20 10.15 70.90 0.00
その他 6 6.67 75.83 0.00
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 0 0.00 0.00 0.00
その他 0 0.00 0.00 0.00
I63$ 脳梗塞 3日以内 103 26.66 75.68 33.87
その他 21 21.67 73.10 4.84
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄、脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 1 5.00 72.00 0.00
その他 47 5.91 74.06 0.00
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄、脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 0 0.00 0.00 0.00
その他 6 6.33 67.83 0.00
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 0 0.00 0.00 0.00
その他 4 3.50 46.25 0.00
I679 脳血管疾患、詳細不明 3日以内 0 0.00 0.00 0.00
その他 0 0.00 0.00 0.00

当院は24時間365日、脳神経の専門医が病院に勤務しており、脳梗塞超急性期の血栓溶解治療やカテーテルを用いた血行再建術を行っています。

そのため、脳梗塞や一過性脳虚血発作は発症3日以内の急性期に入院される方がほとんどです。頸動脈ステント留置術や脳動脈瘤のコイル塞栓術など、予防的外科治療にも積極的に取り組んでいますので、脳梗塞になる前にも、必要に応じて入院を促し、脳血管の検査、治療を行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 69 3.22 21.54 73.91 77.57
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 42 3.48 19.33 33.33 57.24
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 32 3.72 28.94 25 75.09

当院には救命救急センターがあるため、外傷により関節や四肢骨の骨折を認める患者が搬送されてきます。そのような患者に対しては、可及的早期に骨折の観血的整復固定術を行っております。昨年度の手術症例数は662例でした。

当院の特徴として小児救急の専門医がいるため、小児骨折の治療も整形外科としても専門的に行っています。股関節や膝関節の軟骨は、経年変化で薄くなったり、進行するとなくなったりすることがあり、それを変形性関節症といいます。

股関節であれば足の付け根の痛みを起こし、膝関節であれば膝の痛みや水が溜まるといった症状を起こします。内服、関節注射、リハビリなどで治らない場合に、クリーンルームで人工関節手術を行うことがあります。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 58 2.48 6.93 1.72 60.02
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 34 1.26 4.68 2.94 64.41
K7193 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術 31 11.42 25.06 12.9 73.45

良性の胆嚢炎/胆のう結石/肝外胆管の良性腫瘍には腹腔鏡下胆嚢摘出術、鼠径ヘルニアには鏡視下鼠径ヘルニア手術を行っています。全ての方ではありませんが、このような良性疾患に対しては可能な限り、手術創が小さくて、目立たない鏡視下手術を行っています。

また、当院で治療を受けられる結腸癌/直腸癌といった悪性疾患の方は、ほとんどが後期高齢者で心臓病・脳循環疾患などの基礎疾患を有しています。手術前から在宅復帰を目標にし、手術後のリハビリ期間も含め約3週間程度で約90%の方が入院前の生活環境に復帰しています。

消化器・肝臓内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 201 0.47 3.54 0 66.56
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 131 1.75 9.08 10.69 76.64
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 選択的動脈化学塞栓術 52 3.21 18 5.77 74.17

内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術は大腸(結腸)にできたポリープに対して内視鏡下に細いワイヤーをかけて高周波電流で焼き切る治療です。

内視鏡的胆道ステント留置術は胆石や腫瘍により胆管からの胆汁の流れに障害が起きた時に、ステントという道具を入れて狭いところを広げたり流れをよくしたりする治療です。

肝細胞癌/肝内胆管癌血管塞栓術、選択的動脈化学塞栓術は肝臓に出来る癌に対して血管を通して抗がん剤を直接肝臓に注射したり、癌に通じる血管を閉塞させてがん細胞を死滅させる治療法です。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 47 3.17 11.43 2.13 69.72
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 45 3.13 7.8 4.44 42.49
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 22 2.86 9.14 0 71.82

当院では全ての呼吸器外科領域の手術に可及的に胸腔鏡を利用した低侵襲手術を行っています。原発性肺癌でも約80%は、胸腔鏡を利用した手術であり、従来の開胸による手術の頻度は激減しています。

気胸や転移性肺腫瘍の手術もほぼ100%胸腔鏡で治療をおこなっています。原発性肺癌の一部は地域連携クリティカルパスを導入し、周辺医療機関と協力してフォローアップ体制を整えています。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 155 2.04 4.08 3.23 71.75
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 26 4.65 9.92 3.85 79.96
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 26 0.04 13.65 0 72.42

循環器内科は急性心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患に対する検査と治療を24時間365日積極的に行っております。また、その他にも不整脈や心不全、心臓以外の血管に対する検査や治療も幅広く行っています。

急性心筋梗塞や不整脈疾患で治療を行った場合、平均入院期間は約2週間です。また、心筋梗塞以外の虚血性心疾患に対する治療を行った際の平均入院期間は約6日となっています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 17 1 14.88 29.41 77.29
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの - - 44.13 - -
K1781 脳血管内手術 1箇所 - - 15.57 - -

※ 患者数が10人未満の場合は、非表示となっています。

当院では地域の高齢者患者を診る機会が多いため、脳神経外科においては慢性硬膜下血腫という高齢者に特徴的な疾患の治療を行う機会が最も多い状況にあります。その他では、地域の中核病院が故に脳腫瘍の手術機会も比較的多い状況にあります。

また、当院では未破裂脳動脈瘤や頸動脈狭窄症に対する脳血管内手術による予防的治療も積極的に導入しており、早期の社会・家庭復帰を目指した治療を行っています。

腎臓内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K610-3 内シャント設置術 22 9.27 14.32 9.09 65.27
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの - - 76.67 - -
K386 気管切開術 - - 33.5 - -
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 - - 123 - -

※ 患者数が10人未満の場合は、非表示となっています。

腎臓内科で関わる手術は内シャント作成があります。これは保存期慢性腎不全の患者で透析導入前にあらかじめ内シャントを作成しておく患者と、透析導入後に内シャントを作成する患者がいます。在院日数が長いのはこのためです。

転院率が9%ですので、血液透析導入後に内シャントを作成した症例が9%、そのほかの症例は保存期に内シャントを作成したことになります。

血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 41 0.12 1.41 0 67.05
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 10 2.1 4.8 0 74.3
K5612 ステントグラフト内挿術 腹部大動脈 - - 8.67 - -

※ 患者数が10人未満の場合は、非表示となっています。

下肢静脈瘤は1泊2日でレーザー治療を行っています(最新のレーザー器を用いていますので疼痛や皮下出血が少なくなっています)。下肢閉塞性動脈硬化症は状態に応じて、血管内治療(血管拡張術、ステント留置術)とバイパス手術を行っています。

腹部大動脈瘤も状態に応じて、血管内治療(ステントグラフト内挿術)と開腹手術を行っていますが、約80%の患者にステントグラフト内挿術を行っています。

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 27 0 3.56 0 81.3
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル未満 20 0.05 0.65 5 68.25
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル未満 - - 0.33 - -

※ 患者数が10人未満の場合は、非表示となっています。

高齢者の皮膚悪性腫瘍に対する入院手術治療を、出来るだけ短期間入院で実施しています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.01
異なる 25 0.29
180010 敗血症 同一 22 0.26
異なる 14 0.16
180035 その他の真菌症 同一 2 0.02
異なる 0 0.00
180040 手術・術後合併症 同一 23 0.27
異なる 4 0.05

播種性血管内凝固症候群(DIC)は、さまざまな重症の基礎疾患(がんや敗血症、外傷など)のために過剰な血液凝固反応活性化が生じ、全身の臓器不全、出血傾向のみられる予後不良の病気です。

敗血症は、肺炎や尿路感染、外傷などの感染部位から血液中に病原体が入り、重篤な全身症状を引き起こす症候群です。基礎疾患に悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、膠原病(こうげんびょう)がある場合、あるいは高齢者、手術後の状態が多くあります。当院は、DICや敗血症を生じる重篤な疾病にも対応しています。

また、手術・術後合併症が多いのは、重症の患者を積極的に受け入れていることを表しています。

 

更新履歴

2016/09/30
DPCデータに基づく『病院情報の公表』のホームページを公開しました。

 

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